捨て猫を拾い、牛乳をあげるシーン。ドラマやアニメなどで見たことがあるかもしれません。
また牛乳はカルシウムが豊富な食品として、人間にとっても大切な食品です。
しかし実は最近、猫にとって牛乳は、体への負担が大きいと言われています。
そこで今回のテーマは、猫と牛乳の関係。猫にオススメな「次世代のミルク」を含めて、ご紹介します。
牛乳が猫に与える影響は?
牛乳はカルシウムが豊富で栄養満点ですが、猫にとっては負担大。
ぐったりしたり嘔吐したり下痢をしたり、不調が現れるコも珍しくありません。
その理由は、牛乳に含まれる「乳糖」と呼ばれる成分にあります。
猫は先天的に、乳糖を分解するのに必要な「ラクトース」という酵素を持っていません。
そのため牛乳を飲むと、消化されなかった乳糖が腸内の水分を引き寄せ、お腹を壊す原因になります。
このような症状を「乳糖不耐症」と呼びます。
ちなみに人間も牛乳を飲むとお腹を壊してしまう方がいますが、こちらも乳糖の消化不良が原因です。
牛乳を飲みすぎるとどうなるの?
牛乳への耐性は年齢や体質によって変わるため、許容量はそれぞれ。
しかし消化器官が十分でない子猫やシニア猫は、少量でも不調が現れることがあります。
牛乳による不調で多いのが、下痢。また食物アレルギーにもなりやすく、嘔吐や湿疹が出ることも。
脂質も多いため、日常的に飲ませると肥満の原因にもなります。
ほかにも牛乳に含まれるナトリウムは、心臓病の猫やシニア猫にとって心臓に負担大。
さらにマグネシウムとカルシウムが尿路結石を引き起こす可能性もあります。
もし牛乳を飲ませたら…?
もちろん「毒」ではないので緊急性はありません。
しかし普段飲み慣れていない場合、乳糖不耐症の症状が出やすい30分〜2時間ほど、様子を見てください。
また、猫を拾った時や水分不足・食欲不振の場合、一時的に牛乳をあげることもあると思います。
その場合は「常温(子猫は人肌程度)」「少量」であれば大丈夫。早めに猫用ミルクに切り替えましょう。
日常的にあげる場合は、猫にも負担がかからないミルクを選んであげてください。
どんなミルクを選べばいいの?
では猫も安心して飲めるミルクは何を選べばいいのでしょうか。
一番手頃なのは、猫用ミルクとして販売されているもの。
猫用ミルクは猫に必要な栄養素が含まれているほか、乳糖がカットされています。
(ちなみに猫の母乳もラクトースが少ないため、子猫が飲んでも大丈夫)
そのほかの目安として、年齢に合った猫用ミルクがあります。
✓子猫なら、「高タンパク・高カロリーのミルク」で効率的に栄養を摂れるように。
✓成猫なら、普段の食事にプラスしやすい「高タンパク・低カロリーのミルク」を。
✓シニア猫なら、グルコサミン・コンドロイチンなどが摂れる「低脂肪・栄養補助要素入りのミルク」を選ぶと良いです。
とはいえ子猫以外はフードが主な栄養源なので、カロリーオーバーにならないよう、タイミングを見てあげてくださいね。
栄養補給にキャメルミルクを
猫のミルクとしてオススメなのが、キャメルミルク。
砂漠という厳しい環境で生きる人々を支える、栄養満点のラクダのミルク。
キャメルミルクには乳糖のほか、牛乳アレルギーの原因となる物質が含まれていません。
また栄養バランスも完璧。
牛乳と比べて脂肪やコレステロールは1/2と少なく、ビタミンは約5倍。
次世代のスーパードリンクとして密かに注目を集めているのです。
しかも粉末タイプなので、保管や量の調整も簡単。
猫はもちろん、犬や人間も一緒に使えるので、家族みんなで栄養バランスを整えることができます。
◇ ◇
猫の主な水分は水ですが、栄養バランス・食欲増進・水分補給のため上手に取り入れたいのが、ミルク。
適した商品とタイミングを選んで、健康のサポート役として活用してくださいね。