《犬用シャンプーは目に入っても大丈夫?!》

トリミングをしているとどうしてもシャンプーやリンスが目に入ってしまうことがあります。
シャンプー・リンスはもともと顔にもかかることが前提の処方なのでそれ自体に強い毒性はありません。

たとえ少量入ってしまってもそのままシャワーで十分に洗い流せば多くの場合問題はないでしょう。

ですが、元々目に傷や炎症がある場合や、そもそも敏感なコなどはシャンプーなどが微点で入るのはもちろん水道水でもしみることがあります。

目の表面は涙で潤っていますが、涙には水分だけでなく油やムチンという物質が含まれていて目を守る働きをしています。
そのほか目をバイ菌から守ってくれる物質もたくさん含まれています。
目を洗うとこれらの物質が失われ、感染症にかかりやすくなったり慢性結膜炎やドライアイを招きます。
水道水は涙と浸透圧が異なるため、たとえ水であってもしみるのです。

水道水には塩素が含まれているので目に刺激を与えたり、大量の水で目を洗うと目の表面にキズがつくことがあります。
汚れや異物が混入し目を洗いたい場合は
涙の成分に近い人工涙液点眼薬(防腐剤無しタイプ)が目に優しくおすすめです。

涙やけがあったり、目のキワに目ヤニがこびり付いている場合、
しっかり洗ってあげたいトリマーさんの気持ちはすごーーくよくわかりますが、いかんせんお目目は大変デリケートな臓器。
やはりリスクヘッジとして(小さいワンちゃんの場合などは特に技術的にも難しいとは思いますが)
“目のまわりは大きめに避けて洗う” というのが正解だとわたし個人的には思います。

取れにくそうな汚れがある場合、ちょっと手間ではありますが、
シャンプー前に、市販のアイローションやホウ酸水をコットンに浸したものでパックし、
少し時間を置いて拭き取るなどの方法を取ることが
今より一層犬たちにとって負担のないグルーミングだと思います。

化粧品やシャンプー類の中にも目にしみにくくなる成分を入れることは多くありますが、
だから目に入っても安全ということではありません。
化粧品やシャンプー類は目に入れないことが前提です。それは犬も人も同じです。

トリミングはそれでなくとも愛する飼い主と引き離されて、水で濡らされて、ケージに閉じ込められて
なんなら知らない犬に吠えられたりするストレス満載の行事です。
なるべくならば、それ以上の負担にならないようにしてあげたいですね。

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